2012/04/14

万葉集の形態素の母音の組み合わせ調べ 01 β




万葉集の意味の固まりである形態素のついて、
2音節の母音の組み合わせに注目して、
その母音の組み合わせを抽出していきます。

* 万葉集の「有坂の法則」に触発されての作業です。


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「有坂の法則」については、Wiki百科より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E4%BB%A3%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BB%AE%E5%90%8D%E9%81%A3

有坂秀世1934年の論文「古代日本語における音節結合の法則」で、上代特殊仮名遣いに関する次のような法則を発表した。
  1. オ列甲類音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することはない。
  2. ウ列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。特に2音節の結合単位については例外がない。
  3. ア列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。
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「基本方針」
1.万葉集中の一字一音の句についてのみ抽出する。
2,膨大な作業量になるので、
作業中の文を覚え書き的にブログに記していきます。
3,厳密な校正をしていないのでβ版です。


2012年4月14日

今回は  「~aso~」の音を含む形態素です。

so(そ)には「甲・乙」の区別があります。

結論は 万葉集中の形態素で 「 ~aso~ 」の音を含む形態素は
   「~a+そ甲」の組み合わせのみで、 「~a+そ乙」の組み合わせはない。


  有坂法則の3、に相当しますね。


具体的抽出。

1,「あそ」  (1) 動詞、遊ぶの変化型 (あそ甲ば、あそ甲び、あそ甲ぶ、あそ甲べ、)
(2)  阿蘇(あそ甲)
* 多くの例あり
2,「かそ」  (1) かそけき(かそ甲けき) 19巻4291(可蘇氣伎)
2,「なそ」  (1) なそへ(なそ甲へ) 18巻4054 (都久欲尓奈蘇倍)
(2) なそへて(なそ甲へて) 18巻4451 (波奈尓奈蘇倍弖)
3,「はそ」  (1) ははそ葉(ははそ甲ば) 19巻4164、20巻4408(波播蘇葉乃、波々蘇婆能)
4,「まそ」  (1) まそ鏡(まそ甲かがみ)  15巻3765(麻蘇可我美)など
5,「やそ」  (1) 八十(やそ甲)  14巻3456(夜蘇)など、
6,「らそ」  (1) 争ふ(あらそ甲ふ) 2巻199(安良蘇布波之尓)、他14巻に2句
7,上記以外の組み合わせ、「さそ」「たそ」「わそ」はない。



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