2020/10/10

万葉集の読みの音節別出現数。

2020年10月10日
万葉集の読みをひらがな表記し、そのひらがなの数を数えたもの。
・訓読みのしかたにより、若干は変わりうる。
・万葉集は、和歌などが素材なので、枕詞など、特定な言葉が何度でも出てくるので、
・当時の話し言葉の音節の使用頻度とは必ずしも一致しないであろう。
・その点を踏まえて、当時の音節の出現頻度と見てもらえばよい。

* 万葉仮名の甲・乙の区別はこのデータではしていない。
   将来的には、それを区別したデータも調べる予定。

*「」については、あ行とや行の区別をしていないが、ほとんどがや行の「え」である。
     おおよそあ行の「え」99 や行の「え」551
 濁音と清音は別に集計しているが、読み方によって多少の誤差がある可能性がある。

音節  頻度
9712
7699
7490
7247
6841
6217
6207
6080
6039
5726
5698
5196
4953
4750
4634
4180
4088
4041
3729
3581
3519
3504
3300
3281
3040
2750
2726
2604
2484
2387
2309
2216
2100
2098
2090
2089
2087
2063
1806
1656
1511
1388
1343
1330
1287
1158
1121
1090
1014
910
715
708
684
650
537
506
498
425
381
369
333
330
312
262
220
204
37

2020/10/07

万葉仮名と中世韓国語漢字音との対応表

 twitterに書き込んだものをここにまとめておきます。

2020年10月7日作成

漢字の横の( )内の数字は万葉集20巻の中にこの漢字が出てくる巻数です。この数字が多いほど広く使われていることになります。(これ以外に訓読みの万葉仮名もあります)

* 中世韓国漢字音との比較ですので、音読みの万葉仮名のみ扱います。

50音表の横の列

万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「あ段」 「あ段」はほぼ「a」で対応します。


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「い段」
「き甲:기」と「き乙:긔」は中世韓国語漢字音でも奇麗に同じく区別されています。
    現代日本語と現代韓国語では「き」と「기」に統一。
「ひ甲」「ひ乙」、「み甲」「み乙」は中世韓国語漢字音では区別されていません。
「し」については別に論じます。


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「う段」
 「う段」は 中世韓国漢字音では「우」と「 오」が現れます。
 日本語でも「う」と「お甲」は通奏する事があります。


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「え段」
「え」は分かりにくいです。「え段」の甲乙の差は、中世漢字音で区別がはっきりつきにくい感じです。
何か対応するところがあるでしょうか?


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「お段」
「お段甲:오」と「お段乙:어」は明らかに違う音です。中世韓国漢字音で裏付けられます。
「あ行お」は「お乙」、「わ行を」は「わ甲」のようにも感じます。


50音表の縦の列について(作業途中)
万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「あ行」
あ行の「え」は万葉集中で非常に出現頻度が少ない音です。ほとんどが「や行の江」(:ye)です(「や行のえ」を「江」で代表させます)。
全119,362文字中、「あ行のえ」は
「愛」1、「依」1、「衣」8、「榎」1、「得」25
位です。




万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「か行」
万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「さ行」


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「た行」
万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「な行」

万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「は行」


万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「は行」
万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「や行」
「や行のえ:ye」を「江」で代表させています。「江」は訓読みですので、下の表には出てきません。

万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「ら行」

万葉仮名と中世韓国語(中期朝鮮語)の対応表。「わ行」