佐藤栄作氏の論文
「万葉集の字余りと半母音」から、孫引きさせて頂きます。
第1則 句中に単独の母音音節(エを除く)を含むとき
第2則 句頭に母音音節があるとき
(1)「イ」の次がj又はiの音節。
(2)「ウ」の次がw・mのとき
第3則 句中に次の音韻条件があるとき
(1)ヤ行音の前にiまたはeの音節があるとき
(2)ワ行音の前にu・oで終わる音節があるとき
* 佐竹氏
第4則 同一行の音節が連続して現れるばあい
* 木下氏
第5則 句中に推量や意思を表す助動詞「ム」があるとき
第6則 句頭に母音音節「ア」「オ」があり、とくにnmの子音が続くとき
* 木下氏
この論文で、佐藤氏が再吟味して出した結論、
半母音は独立した音節を作る傾向があるという結論は、同意できると思っている。
上記法則が、万葉集全体について、妥当かどうかを検証してみる予定である。
初めまして。
返信削除「白村江敗戦と上代特殊仮名遣い」(2007 東京図書出版会)という論考の著者、藤井游惟(ふじいゆうい)と申します。
愛媛大学の佐藤栄作君とは大学時代の同級生で親しい間柄ですが、学生時代は単なる酒を飲んだり麻雀をしたりするだけの間柄で学問的な付き合いはありませんでしたが、この論考を書くにあたってはにブレインになってもらいました。
拙著の概要は↓のウェブサイトをご覧いただければ解ります。(市販の紙版は売り切れており、私の手元に十冊ほどあるだけですが、このウェブサイトをご覧になった方が理解は速いと思います)
https://hakusukinoe.site/
拙著の概要を端的に述べれば「記紀万葉」を書いた書記官達は663年の白村江敗戦後に日本に大量亡命してきた百済文化人、及びその二世達(特に古事記・萬葉集を書いたのは二世世代)であり、その言語学的証拠が記紀万葉から発見された「上代特殊仮名遣い」という現象である、ということです。
拙著の中心となるのは、第六章「上代オ段甲乙音の書き分け法則と現代日本語/O/母音の条件異音法則の一致」で、現代関西方言話者は奈良時代と全く同じ法則に基づいて2種類の/O/母音を発音し分けている、ということを音声学的実験において証明するものです。
これは、ウェブサイトをご覧いただければ、写真をクリックするだけで発音実験の模様が見られるようになっています。
朝鮮語との関係は第七章と第八章で述べております
。
特に第八章では、日本語(呉音・漢音)・朝鮮語・中国18カ所の方言漢字音で萬葉集の歌を10首発音させて比較するという実験を行っており、それを整理しなおしてYouTubeにアップしたものが↓です。
朝鮮語は現代音と『東國正韻』に基づく中世漢字音の二つの実験を行っておりますので、ご覧いただき、ご好評賜れれば幸いです。
万葉集十首 朝鮮語及び中国18個所方言漢字音における発音 方言別編集
https://www.youtube.com/channel/UCrOQ1Bq2ca13V69bR1QVtCQ/videos
万葉集十首 朝鮮語及び中国18個所方言漢字音における発音歌別編集
https://www.youtube.com/channel/UCA_dvsDGbJ_x8F47d7ic2NA/videos
また、↑の実験のの結果、中国語各方言で一番日本語に近い発音になるのは山東方言話者であり、森弘達氏のいう「日本書紀α群」を書いた「中国人」というのは、朝鮮半島に最も近い山東半島の人間であると検討をつけ、「日本書紀α群」と「古事記」の両方に収録されている歌四首を、山東方言音と朝鮮語で発音させる実験を行い、2010年に「日本中国語学会関東支部拡大例会」と「朝鮮学会言語部会」で口頭発表票しましたが、その実験の模様も添付しておきますのでご覧いただければ幸いです。
日本書紀α群の歌四首 山東方言話者
https://www.youtube.com/watch?v=GrW9HbymQmo&t=25s
古事記の歌四種 山東方言話者
https://www.youtube.com/watch?v=SzYpL2HVN7I&t=39s
日本書紀α群の歌四首 朝鮮語話者
https://www.youtube.com/watch?v=iqZJPPst63k&t=11s
古事記の歌四首 朝鮮語話者
https://www.youtube.com/watch?v=rxg-RV2OO18
御研究の参考になれば幸いと存じますとともに、拙論に関しても御高評賜れれば幸いに存じます。
藤井游惟
藤井様 長い書き込み有難うございます。
削除御著作は持っていて読ませていただいております。
サイトも拝見させていただいております。
最近こちらの方は放置状態です。
取り急ぎ、書き込みのお礼だけさせていただきます。
時間を見て、返信させていただきます。