韓国語の漢字音で、日本語では「し」と読む漢字が
かなりの数の漢字が「さ(사)」で読まれます。
A,たとえば
思、四、司、死、詞、師、士、史、使、辞、など日本語で「し」と呼ばれる漢字が「さ(사)」で読まれます。
すごく不思議です。
B, 日本語の「し・じ」と読む漢字が、「し(시)」あるいは「じ(지)」で読まれる場合もあります。
之(지)、志(지)、指(지)、詩(시)、旨(지)、至(시)
C, 日本語で「さ」と読まれる漢字で、韓国語でもそのまま「さ(사)」と読まれる漢字もあります。
査、沙、詐、紗などです。
これは、「さ(사)」です。
どうしてこうなるのかすごく不思議だったのですが、
中世韓国語の漢字音までさかのぼってみると、その違いが分かりました。
同じ現代韓国で「さ(사)」と読む漢字でも、中世韓国語にさかのぼってみると
同じではなく、2つに分けられます。
(1)一つは、今と同じ「さ(사)」だった漢字。
実はこれが、日本語でも「さ」と読む漢字で上の Cのグループの漢字です。
査、沙、詐、紗など。
(2)もう一つは、ㅅとアレアの組み合わせだった漢字です。
(アレアについては下のサイトを参考にしてください。)
上のAのグループの漢字で、この漢字が日本語では「し」と読まれています。
思、四、司、死、詞、師、士、史、使、辞 などですね。
日本語の万葉集の時代(7・8世紀)の万葉仮名にも
「し」を表す万葉仮名として、AとBの漢字が使われています。
万葉の時代には、韓国語(或いは中国語でも)
「시 」 「ㅅとアレア」が同じ「し」と認識されていたのですね。
韓国語の中世での「ㅅとアレア」の組み合わせの音が、
古代にはどういう音だったのかすごく気になります。
* 万葉仮名で、Cの漢字は、「さ」です。
アレア(下のアと言う意味で、点一つの形のハングルで、今は使われていません)
(アレアについてはこちらを参考にしてください。
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/korean/middle/Jmiddle.html )
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