2012年6月11日
しかしながら、母音を含んだ句でも、字余りになる句とならない句がある。
このことについては、いろいろな研究があるが、未だにきちんとした定説はない。
ここでは、句中に単独母音を含みながら字余りにならない
「る」+「母音」の組み合わせについて、
この組み合わせは、字余りになっていないことを指摘しておく。
万葉集中の、万葉仮名、1字1音で表されていて、句中に母音を含む3983句中について。
この中で「る」+「母音」 の組み合わせは81句ある。
そのうち、5文字句 2句 7文字句 75句(定型)
6文字句 3句 8文字句 1句(字余り句)
* 他のら行音 「り」+母音、 「ろ」+母音
にはそう言う傾向は見られない
「ら」+母音、「れ」+母音は例がないようだ。
(見落としている可能性もありますが)
「る」+「母音」 字余りにならないといってよい。
この理由について。
「る」を表す1字1音の万葉仮名は「留」「流」「類」の3文字がほとんどである。
これらは、日本語で「りゅう」「るい」
韓国語では3文字「留」「流」「類」とも「류(ryu)」とい音である。
又中世韓国語の漢字音は「ryuw」のような音で「ru」とは明らかに違っている。
この辺が、「る」+「母音」の組み合わせが、母音が結合し句として1音にならず、
字余り句が生じない事の理由として推測される。