2012/04/19

万葉集の形態素の母音の組み合わせ調べ 02 β


2012年4月19

 「*so*a*」の音を含む形態素です。「*そ*a*」

  「そ」には、「そ甲」「そ乙」どちらも対象です。「*」は任意の音を意味します。

結論は 万葉集中の形態素で 「 *そ*a* 」の音を含む形態素は
   「そ甲」の組み合わせがほとんどで、 「そ乙」は2例のみ(下の13と14)。

  有坂法則の3、に相当します。

具体的抽出。
1,「*そあ*」 なし
2,「*そか*」 なし
3,「*そが*」 背向ひ(そ乙がひ)「曽我比」14巻3391、14巻3577、17巻4003、17巻4011,20巻4472
      これは形態素 「そ乙」+「がひ」とみなし、抽出しない。
4,「*そさ*」 なし
5,「*そざ*」 なし
6,「*そた*」 なし
7,「*そだ*」 なし
8,「*そな*」 なし
9,「*そは*」 なし
10,「*そば*」 遊ばむ(あそ甲ばむ)「」17巻3991
11,「*そま*」 (そ甲ま)「」7巻1355
12,「*そや*」 なし
13,「*そら*」 (そ甲ら)「蘇良」14巻3510他9句
           ただし、18巻4166は(そ乙ら)「曽良」となっている。(例外)
14,「*そわ*」 そわ(そ乙わ)「曽和」14巻3566(例外) 
 

2012/04/14

万葉集の形態素の母音の組み合わせ調べ 01 β




万葉集の意味の固まりである形態素のついて、
2音節の母音の組み合わせに注目して、
その母音の組み合わせを抽出していきます。

* 万葉集の「有坂の法則」に触発されての作業です。


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「有坂の法則」については、Wiki百科より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E4%BB%A3%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BB%AE%E5%90%8D%E9%81%A3

有坂秀世1934年の論文「古代日本語における音節結合の法則」で、上代特殊仮名遣いに関する次のような法則を発表した。
  1. オ列甲類音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することはない。
  2. ウ列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。特に2音節の結合単位については例外がない。
  3. ア列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。
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「基本方針」
1.万葉集中の一字一音の句についてのみ抽出する。
2,膨大な作業量になるので、
作業中の文を覚え書き的にブログに記していきます。
3,厳密な校正をしていないのでβ版です。


2012年4月14日

今回は  「~aso~」の音を含む形態素です。

so(そ)には「甲・乙」の区別があります。

結論は 万葉集中の形態素で 「 ~aso~ 」の音を含む形態素は
   「~a+そ甲」の組み合わせのみで、 「~a+そ乙」の組み合わせはない。


  有坂法則の3、に相当しますね。


具体的抽出。

1,「あそ」  (1) 動詞、遊ぶの変化型 (あそ甲ば、あそ甲び、あそ甲ぶ、あそ甲べ、)
(2)  阿蘇(あそ甲)
* 多くの例あり
2,「かそ」  (1) かそけき(かそ甲けき) 19巻4291(可蘇氣伎)
2,「なそ」  (1) なそへ(なそ甲へ) 18巻4054 (都久欲尓奈蘇倍)
(2) なそへて(なそ甲へて) 18巻4451 (波奈尓奈蘇倍弖)
3,「はそ」  (1) ははそ葉(ははそ甲ば) 19巻4164、20巻4408(波播蘇葉乃、波々蘇婆能)
4,「まそ」  (1) まそ鏡(まそ甲かがみ)  15巻3765(麻蘇可我美)など
5,「やそ」  (1) 八十(やそ甲)  14巻3456(夜蘇)など、
6,「らそ」  (1) 争ふ(あらそ甲ふ) 2巻199(安良蘇布波之尓)、他14巻に2句
7,上記以外の組み合わせ、「さそ」「たそ」「わそ」はない。



2012/03/27

なぜ韓国では人名の姓と名を続けて記すか?

人の名前は、日本では姓と名では一マス空けるというのが普通だと思います。
例えば「野田 佳彦(のだ よしひこ)」のように。

ところが、韓国では人名は、正書法でも決められていて、姓と名を続けて書きます
例えば 이명박(李明博)


これがずっと、不思議で仕方がありませんでした。

なぜ姓と名の間にスペースを入れないのかと。

韓国人の姓名は3文字がほとんどで、姓は1文字の人がほとんどなので、
スペースを入れなくとも、姓と名の区切りが分からないという心配はありません。

でも、姓と名を分けて書いた方がずっと分かり易いのではないかと、ずっと思ってきました。

2012年3が15日の札幌国際プラザ、韓国出身の国際交流院の方の講演会がありました。
「日本人がびっくりする韓国」についていろいろなお話がありました。

その中で、こんな話が出ていました。
結婚して日本は夫婦は同じ姓を名乗る
(一般的には女性が男性の姓に変わる)りますが、
韓国では結婚しても姓は変わりません。
子どもは歴史的には父親の姓となります。
* (最近は母方の姓も選択できるようになったようです)

そのため、日本人から良く聞かれる質問として
  「家族の中でお母さんだけが姓が違うので寂しい思いをしませんか?」という
質問だそうです。
韓国の方から見て、そんな質問は想定外のようで、全くそんなことはないそうです。

その話を聞いて、ハタと気がつきました。

日本では、姓が家族の一員だと言うことを表すので
        姓は非常に重要なものに感じられます。
一般的にも、日本では、人を呼ぶ場合、(親しい場合を除いて)、姓で呼びます。

韓国を考えてみると、実は「姓」は家族を表す単位ではないのですね。
  韓国の人にとって「姓」に対する意識は日本と全く違うのだと思いました。

また、韓国の姓は数が非常に少ないので、
姓だけ呼んでも人の区別にほとんど役に立ちません。

韓国では、「姓+名」を合わせて、個人の名前という意識なのだなと気づきました。

だからこそ、
  韓国では姓と名は分けずに一緒に書く方が合理的なのだと理解しました。

中国の場合はどうなのでしょう? ご存じの方教えてください。

왜 한국인의 이름은 성과 명을 붙여서 쓰는가?

사람의 성명은 일본에서는 성과 이름이 나눠서 쓰는 것이 보통이라고 생각합니다.
예를 들면 "野田 佳彦(のだ よしひこ)" 처럼.

그런데 한국에서는 사람의 성명은 맞춤법에서도 성과 이름을 붙여서 씁니다.
예를 들면 "이명박 (李明博)"

오랫동안 이것이 궁금했지만 알 수가 없었습니다. 

왜 한국에서는 성과 이름을 붙여서 쓰는가?
   한국인의 성명은 세 문자가 대부분으로,
   성은 한 한자인 사람이 대부분니까,
          나누어 쓰지 않아도 이름과 구분이 모른다는 걱정은 없다.
    하지만 성과 이름을 나누어 쓰는 것이 훨씬 알기 쉬운 것이 아닐까 
               계속 생각했습니다.

2012년 3월15일 삿포로 국제 플라자에서,
 한국 출신의 국제교류원의 강연회가 있었습니다
. "일본인이 놀랄 한국"에 대한 여러가지 이야기가 있었습니다.

그 중 결혼할 때 일본은 부부는 같은 성을 자칭
(일반적으로 여성이 남성의 성으로 바뀜)하지만,
한국에서는 결혼해도 성은 변하지 않습니다.
     아이는 역사적으로 아버지의 성입니다.
      * (최근에는 어머니의 성을 선택할 수 있도록 된 것 같다.)

 따라서 일본인이 하는 빈번한 질문은
"가족중에 엄마만이 성이 다르기 때문에 외로워하지 않겠습니까?"라는
    질문이라고합니다.
한국인 쪽에서 보면, 그런 질문은 예상치 못한 것 같고,
전혀 그런 생각은 없다고 합니다.

 그래서 오랫동안 긍금핬던 것을 알게 됐습니다.

 일본은 성이 가족의 일원이라는 것을 나타내고
   성은 매우 중요한 것으로 느껴집니다.
       일반적으로, 사람을 부르는 경우,( 친한 경우를 제외해서) 성을 부릅니다.

한국은, 사실은 "성"은 가족을 나타내는 것이 아닙니다.
 한국 사람에게 "성"에 대한 의식은 일본과
    전혀 다른 것이라고 생각했습니다.
    그리고, 한국의 성은 수가 매우 적기 때문에,
    성만 불러도 사람의 구별에 거의 도움이 되지 않습니다.

한국에서는 "성 + 이름"을 맞춰 개인의 이름이다고 생각하는 것 갗습니다.
  그래서 역시 한국에서는 성과 이름을 나누지 않고 함께 쓰는 것이 합리적인 것이라
    이해했습니다.

중국의 경우는 어떨까요? 아시는 분 가르쳐 주세요.


    혹시 한국어에 틀린 점이 있으면 알려 주세요.

2012/03/22

ㅂパッチムのある韓国漢字音と日本漢字音の関係

韓国の漢字音で、ㅂパッチムを持つ漢字音は、
 日本語の漢字音から連想しにくく発音が難しいものも多いです。

학습  学習(がくしゅう) 
복잡  複雑(ふくざつ)
흡수 吸収(きゅうしゅう)
협력 協力(きょうりょく)

でも、旧仮名遣いと歴史的な音の変化を考えると
  密接な関係があります。

 日本語の「は行音」は遡ると「ぱ行音(p)」でした。


 「甲」を使って説明します。
 「甲」の漢字音をさかのぼると
   現代    旧かな     中世以前 
    「こう」→「かふ(kafu)」→「かぷ(kapu)」
         と遡ることになります。

 これを、過去から現在に戻して書いてみると

  古代中国から伝わった漢字「甲」は
    日本では「かぷ(kapu)」→「かふ」→「こう」と変わって読まれ、
    韓国では「갑(kap)」で取り入れ現在まで続いている。

  ということになります。
現在では日本と韓国で非常に違う音に感じますが、
  実は元は同じ音だったということです。

 日本での旧仮名遣いの「かふ」という表記は、
   単にそう書いていたと言うことではなく
       実際の発音もそうだったということです。

まとめると、
 韓国語のㅂパッチムで終わる漢字音は
  日本語の旧仮名遣いでは「ふ」で終わり、
                    現代音では「う」で終わる音になる。
   

ㅂパッチム で終わる漢字の一覧です。
韓国漢字音 漢字 日本旧かな漢字音 日本現代漢字音
かふ
かふ
かふ
かふ こう
かふ こう
かふ
けふ こう
けふ
けふ
けふ
かふ
きふ
きふ
きふ
きふ
きふ きゅう
きふ きゅう
きふ きゅう
きふ きゅう
ぎふ
ぎふ
きふ
なふ のう
なふ
らふ
らふ
らふ
たふ とう
たふ とう
たふ
たふ とう
らふ
らふ
らふ
らふ
りふ りゅう
りふ
りふ りゅう
りふ
りふ
りふ
はふ ほう
はふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ
しふ じゅう
さふ
せふ しょう
せふ
せふ
せふ
せふ
せふ
ぜふ
せふ
せふ
てふ ちょう
でふ
でふ
しふ
しふ しゅう
しふ しゅう
しふ しゅう
しふ
せふ
しふ しゅう
しふ しゅう
しふ じゅう
しふ
あふ あつ
あふ
あふ おう
かふ
げふ ぎょう
えふ
えふ
えふ
えふ
えふ よう
れふ
いふ
いふ
きふ きゅう
じふ にゅう
じふ
廿 じふ
りふ りゅう
りふ
りふ りゅう
さふ
さふ
さふ
さふ
さふ ぞう
せふ
てふ
せふ
せふ せつ
せふ
せふ
てふ
てふ ちょう
てふ
てふ
しふ
しふ
しふ じゅう
しふ
しふ
しふ
しふ しゅう
しふ
しふ
しふ
しふ
しふ しゅう
しふ しゅう
せふ
せふ
せふ
せふ
てふ
てふ
てふ じょう
てふ
てふ
てふ
てふ
てふ
てふ
てふ
ちふ
たふ
たふ とう
たふ
たふ とう
たふ
たふ
たふ
はふ ぼう
かふ
かふ
かふ
かふ
かふ
かふ
かふ
かふ こう
かふ
かふ
かふ
鴿 かふ
かふ
かふ ごう
かふ きょう
かふ きょう
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ
けふ きょう
けふ
けふ きょう
けふ
かふ
かふ
きふ
きふ きゅう
きふ
きふ
きふ

2012/02/28

日本語と韓国語の漢字音「ん」と「ㄴ,ㅁ,ㅇ」の対応

ここで書くことは、既に知られていることで、特に新しい内容ではありません。

日本語は、原則 「子音+母音」の開音節の言語です。
韓国語でパッチムに相当するのは日本語では「ん」と促音(小さなつ)「っ」位なものです。

万葉集の時代には、「ん」の音も「っ」の音も一切ありません。
現代日本語で「ん」で表される言葉は、万葉時代は
すべて、「む」などの音で表されています。
(例) 「船乗りせむと」  (後世に「船乗りせんと」に変わる)
「年は経にけむ」 (後世に「年は経にけん」に変わる)


韓国語で明確に区別されるパッチム「ㄴ,ㅁ,ㅇ」は、日本語では「ん」とまとめてしまうので、
日本人にとっては区別が大変難しいですね。

신장(腎臓)と、심장(心臓)は、
日本人から見ると同じような発音で、韓国人でも区別が難しくないかと心配してしまうのですが、
韓国人の方は、全く別な音で区別には困らないようです。
韓国人の方にとっては、日本語の
「じんぞう(腎臓)」と「しんぞう(心臓)」の区別の方が難しいのか知れません。
日本人は、問題なく、聞き分けたり言い分けたり出来ますが。

さて、漢字音での「ん」と「ㄴ,ㅁ,ㅇ」の関係です。


 韓国語のパッチム「ㄴ」または「ㅁ」が、日本語で「ん」に対応します。
 韓国語のパッチム「ㅇ」は、日本語の「う」などに対応します。


例 (가で始まる漢字だけを例にあげますが、ほぼ例外なく全ての漢字に当てはまる法則です)


かん
かん
かん
かん
かん
かん
かん
かん 
こん


かん
竿 かん


かん
かん


こん


かん
かん
げん 
かん
かん
かん



こう
きょう
こう
こう
こう





ごう
こう


「ん」で終わる漢字は韓国語でのパッチムは「ㄴ,ㅁ」と推測がつきます。
「ん」で終わっていなかったら「ㅇ」だろうと推測できます。
(例)
   新聞(しんぶん)は 신문  (싱뭉ではない)
   相談(そうだん)は 상담   (산당ではない)
  健康(けんこう)は 건강  (겅간ではない)
  状況(じょうきょう)は 상황  (산환ではない)


  「ㄴ」と「ㅁ」の区別法は分かりません。