2012年2月10日金曜日

万葉仮名の「き甲」「き乙」と朝鮮漢字音

万葉集の時代(奈良時代以前)、
  当時の日本語を表記した万葉仮名には、
 
   い段(き、ひ、み)、
   え段(け、へ、め)、
   お段(こ、そ、と、の、よ、ろ)

   に、甲、乙の2つの音の区別があったとされています。

そのうちの一つ
  「き」について、

  「き甲」を表す漢字は、吉、伎、枳、岐、企、棄、妓
       現代韓国漢字音でも 「기」  中世漢字音でも 「 기」

  「き乙」を表す漢字は 奇、紀、綺、記、騎

       ところが現代韓国漢字音で「기」 だが、中世韓国漢字音では全て「긔」


まとめると、
  両方とも現代日本語では「き」、現代韓国漢字音では"기(ki)"ですが、

  万葉仮名(古代日本語)    中世韓国漢字音
   「き甲」は             「기(ki)」 に対応


   「き乙」は、            「긔(kwi)」に対応

    と見事な対応関係がある。

     この事を考えると、
         万葉仮名の「き甲」と「き乙」の音価の推定の参考になりそうである。


     

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